オーギュスト・ヴィリエ・ド・リラダン 作品買取

1838年11月7日ー1889年8月19日　フランス　ブルターニュ地方　サン＝ブリユー出身
作家・詩人・劇作家

リラダンは、ヨーロッパ文明の爛熟期といわれる19世紀後半のフランス文壇における象徴主義者の先駆者として、世界文学史に名を遺す作家です。

1838年に、大貴族の家系に生まれますが、両親はいずれも裕福ではなく、叔母からの仕送りを受けて生活していました。
また父のジョセフ＝トゥサン侯爵は、マルタ騎士団の失われた財宝を発見して家系を再建するという夢に取りつかれていて、宝探しの為に莫大な金で土地を買い漁り、宝を見つけられないまま、その土地を売り渡すということを繰り返していました。

学生時代のリラダンは問題児で、転校を何度も繰り返しましたが、子供のころから詩作と作曲の才能を示していて、家族からは芸術の天才と信じられていました。

ブルターニュ時代には恋人の死という出来事を経験して、この出来事が後の彼の文学的想像力に多大な影響を残します。

1850年代後半から度々パリを訪れ、この都の芸術の虜となり、1860年には叔母の遺産が転がり込んだため、生涯パリで暮らしていけるだけの財産を手に入れました。
そのころ既に数々の文学サークルの有名人になっており、後のリラダンの文学に多大な影響を与えたボードレールなどと出会っています。
しかし、同時期に処女詩集を自費出版していますが、内輪以外ではほとんど反響はなかったそうです。

自由奔放な生活を続けながら創作をしていたリラダンですが、1871年に母方の叔母が亡くなり、生計の途を失い生活は一変しました。
その当時、彼の小説作品はあまりにも風変わりで大衆受けしないものばかりで文壇にも認められず、興業界からも彼の戯曲は成功する見込みが少ないとみなされました。

その為、家族を養うために様々な仕事を始めざるを得なくなり、ボクシングのコーチや葬儀場などで働くようになりました。かなりの極貧生活で、時には浮浪者の群れに交じり夜を明かすような生活を送っていましたが、そんな環境の中でも絢爛豪華で幻想的な作品を書き続け、「生活など召使にまかせておけ」などという言葉を残すほど、貴族的精神を捨てることはしませんでした。

1880年代に入ると、徐々にリラダンの作品は文学的に認められ始め、1883年に『残酷物語』、1886年に『未来のイヴ』など発表します。
『未来のイヴ』では登場する人造人間に初めて「アンドロイド」という呼称を用いたといわれていて、後のＳＦ作品に大きな影響を遺し、日本では映画監督の押井守なども影響を受けています。

晩年まで創作活動を続けましたが、1889年8月19日、胃がんの為死去。50歳没。

代表作に『残酷物語』『未来のイヴ』など

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