山田　風太郎 作品買取

1922年（大正11年）1月4日ー2001年（平成13年）7月28日　兵庫県出身
小説家

戦後日本を代表する娯楽小説家のひとりとして、奇想天外なアイデアを用いた忍法ものシリーズなどで知られる小説家です。

山田風太郎は、1922年に兵庫県養父市関宮（当時の養父郡関宮村）に生まれました。
父母共に代々続いた医者の家系で、父は関宮村で「山田医院」を開いていましたが、5歳の頃に急死。母はのちに父の弟（叔父）と再婚します。

1935年に、県立豊岡中学に入学し寮生活が始まりますが、翌年に母が肺炎のため亡くなります。
叔父は再婚しますが養父母と馴染めずに、学校でも「不良学生」で停学を受け、修学旅行にも行けず、寮も追い出されてしまいました。
この頃、仲間内で使っていた暗号名の「風」が、後の「風太郎」のペンネームの由来となりました。

1939年、学校の文芸誌『達徳』に小説、詩を発表するようになり、表紙絵やカットも手掛け、同じ頃に雑誌『映画朝日』に山田風太郎のペンネームで投稿もしています。

1940年に中学を卒業しますが、高校受験に失敗し浪人生活に入ります。
2年間浪人しますが合格せず、1942年8月に家出同然に上京し、品川の電気工場で働きながら受験勉強を続けました。

また、この年に受けた徴兵検査で肋膜炎のため入隊を免れていますが、徴兵検査に不合格であったことは「死にどきの世代」でありながら、戦争を傍観したという忸怩たる想い。仲間から外れ「自分は列外にある」との想いは終生つきまとい、のちの創作に色濃く反映されています。

1944年に、東京医学専門学校（現：東京医科大学）に合格しますが、翌45年には空襲のため学校を焼かれ、信州に疎開します。
10月には帰郷しますが、食料と物資の欠乏に辛酸をなめました。

叔父からの仕送りで医学生をしていましたが、1946年に生活のために雑誌『宝石』の短編懸賞に応募した『達磨峠の事件』が入選します。
江戸川乱歩に認められ、様々な雑誌に戦後の荒廃した世相を背景にした推理小説を発表し始め、1949年には『眼中の悪魔』『虚像淫楽』で、第2回日本探偵作家クラブ賞を受賞しました。

1950年に東京医科大学を卒業しますが、医者にはならずに作家としてデビューします。
デビュー後は、江戸川乱歩への恩もありミステリ作品を執筆し多くの傑作を発表しましたが、山田自身は「自分にはミステリは向いていなかった」と語り、時々雑誌のカテゴリーを無視し時代小説も寄稿しました。

1958年に雑誌連載をスタートした『甲賀忍法帖』は、後に空前の大ヒットシリーズとなる『忍法帖シリーズ』の始まりとなり、1963年に発行した新書版『山田風太郎忍法全集』が爆発的にヒットします。
作品は次々と映画化もされ一大忍法ブームが起き、人気作家としての地位を不動のものとしました。

娯楽小説家として、『忍法帖シリーズ』以外にも奇想天外なアイデアを用いた『魔界転生』などの大衆小説で知られましたが、1971年に昭和20年に書いた日記を『戦中派不戦日記』として出版すると、純真な一青年の手になる戦中・戦後の稀有な記録として、また作家の知性と教養の深さを示すものとして、大きな反響を呼びました。

その後も、『明治もの』『室町もの』と呼ばれる新境地の文学作品や、著名人の臨終の様をまとめた異色のノンフィクション『人間臨終図鑑』など、幅広いジャンルの作品で話題となりましたが、1991年に新聞連載した『柳生十兵衛死す』を最後の小説作品に、2001年7月28日に肺炎のため亡くなりました。79歳没

残された作品は、映画やテレビドラマ、舞台、マンガ化もされ、現在でも幅広い読者に愛され続けています。

代表作に『魔界転生』『忍法帖シリーズ』『明治ものシリーズ』など

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