松本　零士 作品買取

1938年（昭和13年）1月25日ー2023年（令和5年）2月13日　福岡県出身
漫画家

壮大な宇宙を舞台にしたSF作品を数多く発表し、美しい曲線を使う特徴的な画で描かれる魅力的なキャラクターや印象的なメカデザイン、哲学的なセリフなどで後の漫画界に大きな影響を与えている日本の漫画家です。

松本零士は、1938年に福岡県久留米市に生まれました。
父親は陸軍の軍人で、航空部隊のパイロットをしていた関係から幼少期にアメリカ軍の戦闘機や空襲に向かうB-29などの軍用機を多数目撃していて、この時の体験が後の作品に影響を与えました。

6歳の頃から絵を描き始め、終戦後は疎開先から福岡県小倉市に戻り、小学3年生から小倉市立米町小学校に移ります。
9歳の頃に学級文庫で手塚治虫の『新宝島』『月世界紳士』を読み、この運命的な本との出会いをきっかけに漫画家を志しました。

この頃、同じく後に漫画家となった高井研一郎らと同人グループ「九州漫画研究会」を結成し、同人誌『九州漫画展』を主宰しました。

1954年、福岡県立小倉南高校1年生のときに投稿した『蜜蜂の冒険』が『漫画少年』にて掲載され、商業誌デビューしました。
この頃からすでに高い実力が評価されていて、『毎日小学生新聞』に漫画が多数掲載され、また手塚治虫が出奔先の九州で原稿を描く際は高井と松本ら九州漫画研究会にアシスタントを頼んでいたというエピソードもあります。

高校卒業後の1957年に、月刊少女雑誌『少女』での連載が決定して上京。
この年の『少女』掲載の『黒い花びら』が実質的な漫画家デビューとされています。
その後は『少女』『少女クラブ』など少女漫画誌での執筆が続きます。

1960年代からは青年誌へ進出し、1968年に『漫画ゴラク』にて連載されたSFスパイ漫画『セクサロイド』の成功をきっかけに少年誌へ主軸を移しました。
その後も、少年時代から親しんでいたSFを題材にした漫画を好んで描きましたが、不人気で打ち切りになることが多くなります。

転機となったのは1971年に『週刊少年マガジン』にて連載した『男おいどん』で、本作は四畳半の部屋で極貧生活を送る青年を主人公として、「うまくいかない、情けない若者の姿」など人情味あふれる描写から笑いと共感を呼び、1972年に講談社出版文化賞を受賞する出世作となりました。

1974年秋から放送されたテレビアニメ『宇宙戦艦ヤマト』でメカニックデザイナーとして招聘され、かねてからアニメ作りを願望していたこともあり全面的に企画に携わりました。
『宇宙戦艦ヤマト』は、本放送時は低視聴率に終わりましたが、再放送時に人気を得て、1977年公開の劇場版アニメでは社会現象となり、これがアニメブームのきっかけとなり、アニメ制作会社の東映動画にイメージクリエイターとして起用されます。

そこで、『惑星ロボ ダンガードA』『SF西遊記スタージンガー』のデザインを提供し、また自身の温めていた企画『銀河鉄道999』『宇宙海賊キャプテンハーロック』がヤマト人気によりアニメ化が決定し、特に『銀河鉄道999』は大ヒットを記録して、松本零士ブームとなり、その後はいくつも松本アニメが作られました。

後年は、「999も、ハーロックも、エメラルダスも、男おいどんも、実は一つの物語。先祖代々つながっていて、いつか夢を果たす。最後に、全部一緒にした物語を描きたい」と語り、その序章と思われる『銀河鉄道999』の新作『ドリームブラックホール』を2018年に発表しましたが、2023年2月13日、急性心不全のためこの世を去りました。 85歳没

創作活動以外にも1980年代後半からは、宇宙開発事業団（JAXA：宇宙航空研究開発機構の前身団体）などの団体の役職も務めるなど、幅広い分野で活躍をしました。

代表作に『男おいどん』『銀河鉄道999』『宇宙戦艦ヤマト』など

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