犬養　孝 作品買取

1907年（明治40年）4月1日ー1998年（平成10年）10月3日　東京都出身
日本文学者・万葉学者

万葉研究の第一人者として、日本全国の万葉ゆかりの地を実際に歩いて調査し、万葉の風土景観を守る運動を生涯の仕事とした日本の国文学者です。

犬養孝は、1907年に東京市下谷区谷中清水町（現：東京都台東区池之端）に生まれました。

1932年に東京帝国大学文学部国文学科を卒業後、神奈川県立横浜第一中学校教諭になります。
その後、旧制台北高等学校教授、大阪高等学校講師、助教授、教授を経て、1962年に「萬葉集の心情表現とその風土関連につきての研究」で東京大学より文学博士の学位を取得しました。

大学の教授を務め、万葉集に登場する日本全国の万葉故地をすべて訪れ、万葉集研究に生涯を捧げ「万葉風土学」を提唱し、テレビやラジオ番組、講演も多く行い、独自の歌い方で万葉歌を朗唱する「犬養節」は多くの万葉ファンに親しまれました。

また、万葉の景観を守るため、万葉故地が乱開発される現状に抗議し、国会議員や松下幸之助などの財界人にも万葉故地の重要性を訴えました。
その活動の一環として、日本全国の万葉故地に所縁の万葉歌を揮ごうした「万葉歌碑」を建立しました。

1979年には昭和天皇が明日香に行幸した際の、甘樫丘を視察時の案内役も務めました。

1981年、甲南女子大学を定年退任後も定例の万葉ハイキングや月見会を開催し、1986年には明日香村の古都保存に尽力したことが評価され、明日香村名誉村民となりました。

1987年には文化功労者、1998年には叙正四位、勲二等瑞宝章追贈されました。

万葉の風土景観を守る運動を生涯の仕事とし、多くの人に万葉の世界を広め、1998年に亡くなりますが、2000年には奈良県明日香村に犬養の業績を顕彰し、関係資料を展示する「犬養万葉記念館」が開館するなど、今も多くのファンに愛されています。

著書に『万葉の人びと』『万葉のいぶき』『万葉の旅』など

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