泉　鏡花 作品買取

1873年（明治6年）11月4日ー1939年（昭和14年）9月7日　石川県出身
小説家

浪漫的・神秘的な作風で明治から昭和にかけて活躍し、幻想文学の先駆者として評価されている日本の小説家です。

泉鏡花は、1873年に石川県金沢市に生まれました。
9歳の頃、28歳の若さで母が亡くなっていて、亡き母への憧憬が後の作品にも表れています。

1890年に友人の下宿で読んだ尾崎紅葉の作品に衝撃を受け小説家を志すようになり、尾崎紅葉の門下に入ることを目指し上京します。
1891年に、紅葉の家を訪ねると入門を許され、尾崎家の書生生活を始めます。

1892年に、京都日出新聞で真土事件という農民暴動を題材にした『冠弥左衛門』を連載し、文壇デビューしました。
同年には、『活人形』『金時計』などの作品を発表します。

1894年に読売新聞で『義血侠血』を連載、翌95年には『夜行巡査』『外科室』を発表します。
『夜行巡査』は主題を明確に示す「観念小説」と呼称され、評論家から高い評価を受け、新進作家としての地位を確立します。

以後は、1896年『照葉狂言』、1900年『高野聖』、1907年『婦系図』、1910年『歌行燈』など、浪漫的・神秘的な作風に転じました。
特に『高野聖』は夢と魔が交じり合う世界観が、独特の語彙豊かで視覚的なリズミカルな文体で綴られていて、怪奇小説・幻想小説の名作として、当時28歳の鏡花が作家としての地歩を築いた作品として評価されました。

元々病気がちで、脚気や胃腸病などで療養を余儀なくされましたが創作意欲は衰えず、大正期には戯曲も多く手掛け、『夜叉ヶ池』『天守物語』などの戯曲も発表しました。

1925年には春陽堂から『鏡花全集』が刊行され、1928年にはいわゆる円本と呼ばれる文学全集に鏡花集が各社から刊行され、1937年には帝国芸術院会員となります。

しかし、1938年には体調を崩し作家生活で初めて一作も作品を発表できず、翌39年7月には『中央公論』に『縷紅新草』を発表しますが、この月の下旬より病床に臥し、9月7日に亡くなりました。 享年65歳

残された作品は、その優れた筆力から幻想的な風景が自然と浮かび上がり、美しい文章は多くの方の心をつかんで何度も映像化・舞台化・漫画化され、また1973年には生誕100年を記念して「泉鏡花文学賞」が制定されるなど、今も多くの方に愛されています。

代表作に『外科室』『高野聖』『婦系図』など

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