『鏡花全集 全29冊セット』をまとめてお譲りして頂きました。

千葉県鴨川市にお住まいのお客様のご自宅へ、書籍の買取にお邪魔しました。

今回のお客様は、ご自宅の整理のために読まなくなっている不要な書籍をまとめて処分したいと、当店の買取査定にお問い合わせを下さいました。
査定を希望される蔵書は、日本国内の作家の文芸書が中心で、作家全集などのシリーズ作品も多いとのことでしたので、今回はご自宅へ直接ご訪問して査定を行わせて頂きました。

実際に拝見しました買取希望の書籍は、昭和に発行された日本人作家の文芸作品が幅広いジャンルでありました。
全集などのシリーズ作品は、しっかりと全巻揃っていて、発行されてからの年数を考えますとどれも比較的状態が良かったこともあり、高く評価させて頂きました。

その中から、今回ご紹介するお品は『鏡花全集』です。

本書は、明治後期から昭和初期にかけて活躍した小説家の泉鏡花の全集で、岩波書店から刊行されました。
第1刷は1940年から42年にかけて全28巻で刊行され、後に1973年から1976年にかけて刊行された第2刷で新資料と書誌を収録した別巻が新たに追加された全29冊の大ボリュームの全集です。

今回は、第2刷のもので全29冊がしっかりと揃っていて、さらに付録の月報のセットでお譲りして頂けましたので、高く評価させて頂きました。

発行から40年以上経っていることもあり、外函にはヤケやシミが目立ってはいましたが、中身の書籍本体はとても綺麗で通読には全く問題なかったです

泉鏡花は、現実と幻想が入り交じる幻想的な世界観の作品を多く残していて、作品は舞台化や映画化が何度かされていて愛され続けています。
幻想作家の先駆けとして『高野聖』などの幻想的な作品が人気でそのイメージが強いですが、『夜叉ヶ池』などの戯曲作品も多く残していて、他にも社会派な作品や人情的な作品など幅広い作品があります。

こちらの全集では、小説や戯曲などの文芸作品はもちろん、紀行文や雑記なども収録されていて、泉鏡花の全文業がほぼ網羅されています。
古い版のため多少の読みにくさは否めませんが、泉鏡花をまるごと楽しむことができてファンにはたまらない全集なのでは無いでしょうか

みつばち書店では、全集などの冊数の多いシリーズ作品の買取実績が豊富にあり、絶対の自信があります。
国内の作家はもちろん、海外の作家の作品や洋書なども大歓迎ですので、お気軽にご相談下さい！