森繁　久彌 作品買取

1913年（大正2年）5月4日ー2009年（平成21年）11月10日　大阪府出身
俳優・声優・歌手・元NHKアナウンサー

昭和の芸能界を代表する国民的俳優のひとりで、特に喜劇映画『社長シリーズ』『駅前シリーズ』で一世を風靡し、また作詞やエッセイなど著述の分野でも活躍しました。

森繫久彌は、1913年に大阪府北河内郡枚方町（現・枚方市）に生まれました。
父の菅沼達吉は、日本銀行大阪支店長、大阪市高級助役、大阪電燈取締役常務を歴任した実業家でしたが、2歳の頃に亡くなり、久彌は尋常小学校１年の頃に、母方の祖父の森繁平三郎の家を継ぎ、森繁姓になりました。

1934年に早稲田大学商学部に進学し、在学中は演劇研究部に所属しました。
その後、アマチュア劇団を創立し、小劇場を借りての公演を行いました。

1936年、必修とされていた軍事教練を拒否したことから大学を中退し、長兄の紹介で東京宝塚劇場（現：東宝）に入社し、日劇の舞台進行係から、東宝新劇団、東宝劇団、古川ロッパ一座などの劇団で下積み時代を過ごしました。

1939年に、NHKアナウンサー試験に合格し、アナウンサーとして満州に赴任します。
満州時代には、ソ連軍に対する謀略放送を行ったり、国威高揚の映画のナレーションなどを手掛けました。

終戦を新京で迎え、ソ連軍に連行されるなどの苦労の末、1946年11月に帰国。
帰国後は様々な劇を渡り歩き、ミュージカルでは演技だけでなくアドリブのギャグを混ぜて歌を唄うなど、他のコメディアンとは一線を画す存在として注目を集めました。
また、1947年には端役ですが映画に初出演しています。

1950年に、NHKのラジオ番組『愉快な仲間』にレギュラー出演し、この番組で才能に注目が集まり、映画や舞台に声がかかるようになります。
同年に、喜劇映画『腰抜け二刀流』で映画初主演を果たし、以後喜劇映画に多数出演し、特に『社長シリーズ』『駅前シリーズ』は大ヒットとなり、喜劇俳優としての人気を不動のものとします。

舞台でも多くの作品で主演し、ミュージカル『屋根の上のヴァイオリン弾き』は、1967年の帝劇初演以降、1986年まで900回の公演を行った森繁の代表作で、役作りの一環で蓄えた口髭と顎髭は自身のトレードマークとなっています。

また、歌手として紅白歌合戦に7年連続出場をしており、『オホーツクの舟歌』『知床旅情』の作詞・作曲者としても知られ、他にもラジオ番組などでの朗読やアニメの声優、エッセイの執筆など、幅広い分野で活躍しました。　

2009年11月10日、老衰のため96歳で亡くなりましたが、同年12月8日に「芸能の分野で長年に渡り第一線で多彩に活躍し、優れた演技と歌唱は広く国民に愛された」として、国民栄誉賞を授与されました。

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