梅原　猛 作品買取

1925年（大正14年）3月20日ー2019年（平成31年）1月12日　宮城県出身
哲学者・評論家・作家

文学・歴史・宗教などを哲学的なアプローチで研究し、「梅原日本学」と呼ばれる独特の世界を切り開いた日本の哲学者です。

梅原猛は、1925年に宮城県仙台市に生まれました。
出生当時、父母ともに学生であったことから結婚を反対されたため私生児として生まれ、幼い頃に母が亡くなり、1歳で伯父夫婦の養子となり愛知県に移りました。

1943年に旧制第八高等学校文科に入学しますが、10月に文科系学生への徴兵猶予が停止され学徒出陣が開始されます。
徴兵猶予のために理科系へ転校したり、将校を目指す級友が多い中、梅原は「いっそ早く死んだほうが良い」という思いから特攻隊員養成機関といわれた甲種幹部候補生に志願します。
しかし、筆記は満点に近い成績ながら、口頭試験で戦闘機の名前を聞かれた際に「隼」の１機しか挙げられず、非国民だと叱責され不合格となっています。

1944年の夏からは、名古屋の三菱重工の工場に動員され勤労奉仕を行いますが、工場に対して空襲が行われ、自身は防空壕に逃げ助かりますが、同じ工場で働いていた他の学生が多数亡くなったことから「この戦争は負けるに違いない」「自分がこの戦争で死ぬのはほぼ確実だ」と考えるようになり、哲学書や宗教書を読み漁り、死の理由を探すようになりました。

哲学を学ぶ中で、西田幾多郎・田辺元ら京都学派の哲学に関心を持ち始め、1945年4月に京都帝国大学文学部哲学科に入学します。
その直後に徴兵され陸軍に入営しますが、終戦後の9月には復学し、1948年に大学を卒業し京都大学大学院に進学し、ハイデッガーと実存主義に傾倒しました。

卒業後は、龍谷大学、立命館大学の講師を経て、立命館大学教授、京都市立芸術大学長を歴任する傍ら、1972年に法隆寺建立の謎を検証した『隠された十字架 法隆寺論』、1973年に万葉歌人の柿本人麻呂の生涯について論じた『水底の歌 柿本人麿論』など、他にも多くの著作を発表し、これまでの通説を覆す大胆で独創的な仮説を展開した「梅原日本学」を確立しました。

西洋哲学の研究から哲学者として出発しましたが、日本仏教を中心に置いた日本人の精神性を研究し、西田幾多郎を乗り越えるという自身の目標のもと、西洋文明の中に作られてきた西洋哲学、進歩主義に対して批判的な姿勢をとり、西洋哲学者が多い日本の哲学者の中で異色の存在でした。

また、スーパー歌舞伎とスーパー狂言の創作など劇作家としても活躍し、ほかにも「国際日本文化研究センター」の初代所長に就任するなど幅広い分野で活動し、1992年に文化功労者、1999年には文化勲章に選ばれました。

2004年には護憲運動を牽引する「九条の会」の呼びかけ人、2011年からは政府が設置した東日本大震災復興構想会議の特別顧問を務めましたが、2019年に肺炎のため亡くなりました。　93歳没

代表作に『隠された十字架 法隆寺論』『葬られた王朝 古代出雲の謎を解く』『親鸞「四つの謎」を解く』など

梅原猛に関する物なら何でもご相談下さい。
珍しい物は高額にて評価致しますので、お気軽にご相談下さい。