坂口　安吾 作品買取

1906年（明治39年）10月20日ー1955年（昭和30年）2月17日　新潟県出身
小説家・評論家・随筆家

「新劇作派・無頼派」と呼ばれ、第二次世界大戦前から戦後にかけて活躍した、近現代日本文学を代表する小説家の1人です。

坂口安吾は、1906年に新潟県新潟市で13人兄弟の下から2番目の末男に生まれました。
父・仁一郎は衆議院議員であり、新潟新聞社社長も務めていて、母・アサの実家は大地主でしたが、父が政治活動に金銭を注いでいたことから、安吾が生まれた頃には家は傾きかけていました。

幼少期は破天荒な性格で知られ、ガキ大将として近所の子供を引き連れ、『猿飛佐助』を愛読していたことから忍術ごっこに興じて忍法の研究をしていました。
小学校での成績は優秀でしたが、中学校に入学すると近眼で黒板の字が読めなくなり成績が下がり、家計の事情からメガネが買って貰えずほとんど授業には出なくなりました。

成績が悪く留年となり、試験でも白紙答案を提出するなど反抗的な態度を取り続けていたことから放校を危惧していた父や兄に、東京の私立豊山中学校に編入させられたことをきっかけに東京に移り住みました。

1923年父が亡くなりましたが、父の財産管理で10万円の借金があったことから中学校卒業後は代用教員になりました。
この頃は芥川龍之介や佐藤春夫、正宗白鳥などの作品を愛読し、また1926年からは仏教の研究のため代用教員を辞め、大学に入学します。

大学ではサンスクリット語などの辞書を読むために、フランス語やラテン語も学び、1928年には神田三崎町のアテネ・フランセ初等科に通い始めます。
同校に通う生徒らと読書会を開き、小説家への夢を本格的に固め、懸賞小説への投稿も始めました。

同人活動にも参加し、1931年にアテネ・フランセの学友と創った同人雑誌『青い馬』に掲載された『風博士』を作家の牧野信一が『文藝春秋』で激賞したことがきっかけに文壇から注目され、売れっ子作家となります。

戦時下の1942年には、国粋主義全盛の時流に反して、評論『日本文化私観』を発表しますが、戦時中は作品発表の場が大幅に減り、歴史書や『平家物語』を読み漁りました。

1946年になると雑誌が復刊され始め、同年に『新潮』で発表した評論『堕落論』は敗戦により落ち込んでいた日本人に「生きるためには堕落が必要だ」と逆説的な倫理観を打ち出し、同誌に発表した小説『白痴』と共に大きな反響を呼び、一躍人気作家となりました。

その後も、人気作家として歴史小説や探偵小説など幅広い作品を発表し多忙な日々を過ごしましたが、精神状態が不安定なことから薬物を服用するようになり、そのため様々な事件を起こしました。

体調が優れないながら、その後も多くの作品を発表しましたが、1955年に脳出血のため48歳の若さで亡くなりました。

小説の他に、随筆や評論、翻訳出版、囲碁や将棋の観戦記など多彩な活動をし、独特で不思議な魅力のある作品と、自身の破天荒で狂気じみたエピソードから、現在でも熱狂的な読者が多い作家です。

代表作に『堕落論』『白痴』『不連続殺人事件』など

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