大村　はま 作品買取

1906年（明治39年）6月2日ー2005年（平成17年）4月17日　神奈川県出身
国語教師・国語教育研究家

国語教師としての経験を活かし、教職を退いたあとも国語教育研究を続け、日本の国語教育の向上に努めた教育者です。

大村はまは、1906年に神奈川県横浜市に生まれ、開明的な雰囲気に溢れた港町で育ちました。
父はミッションスクールである共立女学校で教職を勤め、母はプロテスタント系の北星女学校を卒業しており、両親ともにクリスチャンでした。

はま自身も、共立女学校を経てバプテスト派の女学校である捜真女学校に学び、その学校での国語教育に大きく影響を受けました。

1928年、東京女子大学を卒業後に公立学校教員となり、教員としての生活をスタートします。
同年から1937年まで長野県立諏訪高等女学校で国語の教師を勤め、国語教育の実践的研究に取り組み始めました。

1938年からは東京の女学校で教鞭をとり、鋭い言語感覚を持ち、学ぶこと・教え育てることの機微をよく知った誠実な教師として生徒から信頼を集め優れた生徒たちを育てましたが、戦中ということもあり、慰問袋や千人針の作成を指導し、学校が工場になる事態も経験しました。

戦後は敗戦の荒廃に苦しみながらも、出来たばかりの新制中学への転任をして、机も椅子もなく、教科書やノートも鉛筆も無い焼け跡の教室の中で、日本の長い混乱と窮乏によって学習から離れてしまった子供への教育に奮闘しました。

新聞や雑誌の記事を基にした授業や生徒個人の実力や課題に応じたオーダーメイド式の教育方式は、のちに「大村単元学習法」と呼ばれ、1979年に教職を去るまで、目の前のこどもたちの言葉の力を育てるために尽力しました。

退職後も国語教育を続け、「大村はま 国語教育の会」を結成し、後進の教育者の育成にも尽力し、また「教える人は、常に学ぶ人でなければならない」ということを自らも実践し、90歳を超えるまで新しい単元を作り続け、そのための膨大な数の資料の勉強も欠かしませんでした。

2005年4月17日に98歳で亡くなりましたが、「大村はま 国語教室の会」を引き継ぐかたちで「大村はま記念国語教育の会」が結成されるなど、今も大村の遺した国語教育は実践への学びが受け継がれています。

著書に『教えるということ』『国語教室の実際』『大村はま 国語教室』など

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