アルベール・カミュ 作品買取

1913年11月7日ー1960年1月4日　フランス領アルジェリア出身
小説家・劇作家・哲学者

第二次大戦中に発表された『異邦人』『シーシュポスの神話』等の作品で「不条理」の哲学を打ち出し、戦後の思想界に大きな影響を残したフランスの文学者です。

アルベール・カミュは、1913年に当時フランスの植民地だった北アフリカのアルジェリアに生まれました。
父は農場労働者でしたが、カミュの生まれた翌年にマルヌ会戦で戦死してしまい、以後は母の実家に身を寄せました。

母は聴覚障害があり、また一家の中に読み書きが出来る人が一人もいなく、一家は貧しかったため当初は進学を考えていませんでしたが、カミュの才能を認めていた先生が家族を説得し、10歳から奨学金を受けて高等中学校に進学しました。
（カミュはこの学校の教諭ルイ＝ジェルマン先生への恩を忘れずに、後にノーベル文学賞を受賞した際には「ルイ＝ジェルマン先生へ」との献辞を添えています。）
高等中学校でも優秀な成績を修めていましたが、16歳ころから結核の症状に苦しめられ、この結核は生涯を通してカミュの健康を脅かしました。

1936年に大学を卒業、翌年には処女作となるエッセイ集『裏と表』を出版。
1938年には人民戦線寄りの新聞『アルジェ・レピュブリカン』の記者となり、冤罪事件や植民地経営の不正を暴く記事を書くなど、植民地体制下のアルジェリアの悲惨な実態を告発し活躍しました。

1939年に第二次世界大戦が勃発。カミュは徴兵に志願しましたが健康上の理由で入隊を拒否されます。
戦争開始前後から、当局の厳しい検閲を受けながらも新聞紙上で平和主義を訴え続けましたが、後に解雇されています。
その後は、印刷関係の仕事の傍ら、不条理をテーマにした三部作『異邦人』『シーシュポスの神話』『カリギュラ』の執筆を進めました。

1940年にナチスドイツにパリを占領されると、占領下の12月にフランス南東部のリヨンでフランシーヌ・フォールと結婚しました。
占領下の物資と読者の不足のための人員整理により失業してしまいますが、妻の実家のある北アフリカのオランに身を寄せ、ここで執筆を進めていた三部作を完成させました。

1942年6月に小説『異邦人』、12月にはエッセイ『シーシュポスの神話』を刊行し、占領下のパリではサルトルやボーヴォワールらと知り合い親交を深めました。

1947年には、極限状態での市民の連帯を描いた小説『ペスト』を発表し、戦後の復興期のフランス社会で幅広い読者から支持を集めました。
しかし、1952年に発表したエッセイ『反抗的人間』は賛否が分かれ、盟友のサルトルからは厳しい批判を受け、また故郷アルジェリアの戦争に対しての曖昧な態度が批判されるなど、フランス国内で次第に孤立していきました。
1957年には、戦後受賞者では最年少となる43歳でノーベル文学賞を受賞しましたが、そういった事情からフランス国内の反応は冷淡なものでした。

受賞後は、プロヴァンス地方の田園地帯ルールマランに住みパリとの間を往復する生活を送っていましたが、1960年に自動車でパリに向かう途中の交通事故のため46歳の若さでこの世を去りました。
執筆中だった自伝的小説の『最初の人間』は未完となりました。

代表作に『異邦人』『シーシュポスの神話』『ペスト』など

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