山口　瞳 作品買取

1926年（大正15）1月19日ー1995年（平成7年）8月30日　東京都出身
作家・エッセイスト・コピーライター

編集者、コピーライターを経て作家となり、ユーモラスな筆致で当時の日本社会の人々の哀愁や生活の機微を描いた、時代を切り取る鋭い視線の作品で人気を博した男性作家です。

山口瞳は、1926年に東京府荏原郡入新井町（現：東京都大田区）に生まれました。
父親は実業家で、母親は横須賀の遊郭の経営者の娘で、交友関係が広い派手な家庭でしたが、父の事業が一時失敗した際の赤貧経験から、派手好きでありながら、一方で非常に謹直であるという複雑な性格に育ちました。

旧制麻布中学を経て、旧制第一早稲田高等学院に入学しましたが、在学中に兵役に就いたため中退します。
戦後は、1946年に鎌倉アカデミアに入学し、歌人の吉野秀雄に師事し在学中から同人誌に作品を発表しました。

その後、出版社の国土社に入社し編集者となりますが、正式な大学を出ていないことに対する劣等感を指摘され、師事していた高橋義孝から「正式な大学を出れば、もっと大きな出版社を紹介してあげる」と言われ、國學院大學文学部に入り、1954年に卒業します。

大学卒業後は、河出書房（現在の河出書房新社の前身）の『知性』編集部に勤務していましたが、同社が1957年に倒産したことから、新設の知性社に移りましたが同誌も廃刊となり失職します。

1958年に、開高健の推薦で壽屋（現：サントリー）に入社し、同社の広報誌『洋酒天国』の編集やコピーライターとして活躍し、ハワイ旅行が当たる懸賞のコピー「トリスを飲んでHawaiiへ行こう！」といった代表作を生み出しました。

1963年には、雑誌『婦人画報』で連載していた小説『江分利満氏の優雅な生活』が第48回直木賞を受賞し、同作は映画化もされ、その後は文筆業に専念するためにサントリーを退社しました。

1979年に、自身の母の出生にまつわる秘密を追う自伝的なノンフィクション作品の『血族』を発表し、同作は菊池寛賞を受賞し、ドラマ化もされました。

また、1963年からは『週刊新潮』でコラム『男性自身』の連載を開始し、亡くなるまでの31年間一度も穴を開けず、1614回に渡って続けられました。

晩年は小説の執筆は辞め、前述の『男性自身』に集中して仕事をしていましたが、患っていた肺がんが急速に悪化し、1995年に69歳で亡くなりました。

非常に多趣味で、それらに関する深い知識と愛情が反映された作品は多くのファンを魅了し、中でも代表的なコラム『男性自身』は、多くの随筆家やコラムニストに影響を与え、エッセイというジャンルを確立した作家の一人として、その功績は今なお評価され続けています。

代表作に『江分利満氏の優雅な生活』『血族』『男性自身』など

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