藤田　東湖 作品買取

1806年5月4日（文化3年3月16日）ー1855年11月11日（安政2年10月2日）　茨城県水戸市出身
武士（水戸藩士）・儒学者

水戸学の尊王攘夷思想を継承し、水戸藩主・徳川斉昭に仕えて藩政改革を主導し、儒学者としての思想は後の幕末の志士に大きな影響を与えました。

藤田東湖は、1806年に水戸藩士で水戸学者の中心人物でもあった藤田幽谷の次男として誕生しました。
次男でしたが、長男の熊太郎が東湖の誕生前に早逝していたため、唯一の男子として1827年に家督を相続しました。

父の跡を継ぎ、水戸藩が『大日本史』を編纂するために設置した「彰考館（しょうこうかん」の編集に就き、水戸学藤田派の後継としての才を発揮しました。
また、当時藤田派と対立していた立原派との和解に尽力するなど、水戸学の大成者としての地位を確立しました。

1829年に、水戸藩が次期藩主を誰にするか揉めていた際には、徳川斉昭を推挙し、斉昭が藩主となると信頼を勝ち取り順調に出世し、水戸藩の藩政改革に着手しました。
改革は、財政の再建、外国の脅威に備えるための軍備強化、水戸学の教えに基づいた民衆の教化でしたが、これらは反対勢力との対立を引き起こし、斉昭は幕府から強制隠居を命じられ、東湖も蟄居を命じられました。

この蟄居中に、代表的な著作である『弘道館記述義』などが執筆され、これらの著作は尊王攘夷運動の精神的支柱となり、後の志士たちに強い影響を及ぼすことになります。

1849年に斉昭の謹慎が解かれると、1852年に東湖の処分も解かれ、1853年のペリー来航時には斉昭の海防参与を補佐するなど、海防政策に尽力しました。

しかし、1855年に発生した安政の大地震の際に、崩れてきた鴨居に潰されそうな母親を庇って、鴨居を肩に受けた東湖は、母親の無事を見届けたあとに力尽き、圧死のため亡くなりました。享年50歳

その死に様が「親孝行の儒者」として称えられ、幕末の志士たちの間で広く共有され、尊王攘夷運動の思想的基盤となり、吉田松陰や西郷隆盛など、多くの志士たちが東湖の思想に影響を受けました。

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