安房　直子 作品買取

1943年（昭和18年）1月5日ー1993年（平成5年）2月25日　東京都出身
児童文学作家

日本的な民話風の幻想的な作品を数多く発表し、小学校の国語教科書の収録された『きつねの窓』は幅広い年代に知られています。

安房直子は、1943年に東京都新宿区に生まれました。
翌年、安房喜代年・久子夫妻の養子となり、香川県高松市に転居し、専売公社に勤務する養父の転勤のため、中学校を卒業するまで転居を重ねました。

幼少期より、グリム童話集に親しみ、また講談社の世界名作童話全集によりアンデルセンやアラビアンナイトなどを繰り返し読み、小学6年生の頃から作家になることを夢見ていました。

1958年に、日本女子大学付属高等学校に入学し、これに伴い母と二人で上京します。
高校では文芸部に所属し、文芸部誌に詩や童話を発表しました。

1961年に、日本女子大学文学部国文学科に入学します。
同校の児童文学研究室の講師をしていた詩人・文芸評論家の山室静に師事し、山室が創刊した『目白児童文学』に作品を発表し、この頃から童話の道に本気で進むことを願うようになりました。

1964年に、山室の担当講座「児童文学」の学期末レポートで提出した『空色の揺りいす』が『目白児童文学』3号に掲載され、このとき山室に「こんなのが十篇くらいたまったら、一冊の本にすればいいね」と励まされ、児童文学に進む決心を固めました。

大学を卒業後も、山室の大学院の講座「児童文学特論」を聴講し、北欧神話やギリシャ神話をはじめとした世界のメルヘン作品に接しました。
1966年には、講座仲間と同人誌『海賊』を創刊し、発起人として編集に従事しながら作品を発表しました。

1969年に『海賊』14号に発表した『さんしょっ子』で、翌年第3回日本児童文学者協会新人賞を受賞しました。
1971年には初めての著書『まほうにかけられた舌』を刊行し、続いて『北風に忘れたハンカチ』を刊行し、同書は第19回サンケイ児童出版文化賞推薦図書となりました。

1977年には、教育出版の国語教科書『新版 国語 6年上』に『きつねの窓』が収録され、以後もいくつかの作品が教科書に収録されました。

1985年に、『山の童話 風のローラースケート』で第3回新美南吉児童文学賞を受賞し、その後も創作を続けましたが、1993年に肺炎のため50歳の若さでこの世を去りました。

没後にも、偕成社より『安房直子コレクション』が刊行され、2011年には光村図書出版の国語教科書に『初雪のふるひ』が収録されるなど、作品は今なお読みつがれています。

代表作に『さんしょっ子』『遠い野ばらの村』『花豆の煮えるまで—小夜の物語』など

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