石川　淳 作品買取

1899年（明治32年）3月7日ー1987年（昭和62年）12月29日　東京都出身
小説家・文芸評論家・翻訳家

和漢洋にわたる学識を背景にした現代社会への批判精神があふれた作品群で、無頼派・独自孤高の作家と呼ばれた昭和の文学者です。

石川淳は、1899年に現在の東京・浅草で生まれました。
祖父は漢学者で、その祖父より6歳から論語の素読を学びました。

中学時代は、和漢の古典や江戸文学のほかに、夏目漱石や森鴎外を愛読し、旧制官立東京外国語学校（現：東京外国語大学）仏語部に入学後は、アナトール・フランスやアンドレ・ジッドに傾倒しました。

卒業後は、日本銀行調査部に勤務しますが、程なく退社して横須賀海軍砲術学校のフランス語講師や海軍軍令部に勤務しました。

その後は、東京外語大の同窓生を中心とした同人誌『現代文学』に創刊から参加し、『鬼火』『ある午後の風景』などの小説を発表しました。
また、同時期にアナトール・フランスの『赤い百合』やアンドレ・ジッドの『背徳者』の翻訳を刊行しています。

1924年4月から、旧制福岡高等学校（現在の九州大学の前身）のフランス語講師として福岡に赴任しますが、1925年に発生した学生運動により、左翼学生に加担したとの理由で辞職を勧告され、東京に戻った後は放浪生活となり、約10年間創作活動を休止しました。

1933年から評論などの執筆は再開し、1935年に短編小説『佳人』を発表し創作も再開します。
1937年に発表した『普賢』で第4回芥川賞を受賞しましたが、1938年に発表した『マルスの歌』が反体制的だとの理由で発禁処分と罰金刑になったことから、戦時中は評論の執筆と江戸文学の研究に没頭し終戦を迎えました。

戦後はその旺盛な執筆活動を再開し、旧体制の文学への批判的な態度や活動から、太宰治や坂口安吾、織田作之助らと共に「無頼派」と呼ばれました。

1962年以降は、芥川賞や太宰治賞など文学賞の選考委員を務め、1963年には日本芸術院会員に選出されるなど、文壇での活動の傍らも晩年まで旺盛な創作活動を続けましたが、『蛇の歌』連載中の1987年12月29日に88歳で亡くなりました。

残された作品は、小説やエッセイ、評論など幅広く、歴史ものや現代劇のようなファンタジーもあり、その独特な世界観と美しい文章は今も多くの読者に愛され続けています。

代表作に『普賢』『焼跡のイエス』『狂風記』など

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