小泉　文夫 作品買取

1927年（昭和2年）4月4日ー1983年（昭和58年）8月20日　東京都出身
民族音楽学者

世界中を飛び回り、現地で収録した民族音楽をラジオやテレビで紹介し、ヨーロッパ一辺倒だった日本の音楽界に刺激を与えた音楽学者です。

小泉文夫は、1927年に東京都に生まれ、幼い頃からバイオリンを習い、讃美歌に親しむ音楽少年として育ちました。
東京府立第四中学校（現：東京都立戸山高等学校）を経て、東京大学文学部美学科に入学しました。

在学中に、日本の伝統音楽の美学的研究で知られる吉川英史の講義に接して、地歌（上方を中心に行われた三味線音楽）の実演を聴き、その研ぎ澄まされた邦楽の美しさに激しい衝撃を受け、日本伝統音楽の研究を志しました。
大学を卒業後は、大学に籍を置きながら平凡社に勤務して、日本の伝統音楽の研究やNHK交響楽団の機関誌の編集委員を務めました。

1957年から59年まで、インド政府給費留学生として音楽学校でインド音楽の実技を学びながら調査を行い、このインド留学を出発点として、世界中の民族音楽の調査をする本格的なフィールドワークを始めました。

東京芸術大学やアメリカのウェスリアン大学など、国内外の多くの大学で教鞭をとりながら研究を続け、研究成果は多くの著作やレコード、解説書にまとめられました。
また、ラジオ番組「世界の民族音楽」の他、テレビやラジオを通じて多くの人に民族音楽の紹介・啓蒙を行い、西洋芸術音楽や欧米ポピュラー音楽中心であった日本の音楽界において、民族音楽の地位を向上させた功績も評価されました。

しかし、多忙によりガンの発見治療が遅れ、1983年に肝不全により56歳の若さで亡くなりました。
活躍のさなか突然世を去りましたが、没後に小泉の監修によるCDが発売され、また遺族より寄贈された音楽資料を活用した記念資料室が東京芸術大学音楽学部に開設されるなど、その業績は多様な領域で受け継がれ、発展を遂げています。

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