堀　辰雄 作品買取

1904年（明治37年）12月28日ー1953年（昭和28年）5月28日　東京都出身
小説家

フランス文学の心理主義を積極的に取り入れた作品で昭和初期から中期にかけて活躍し、後進の作家にも影響を与えた日本の小説家です。

堀辰雄は、1904年に東京府東京市麹町区麹町平河町（現：東京都千代田区平河町）に生まれました。

1921年に第一高等学校に入学すると、在学中にのちに文学者となる神西清と出会います。
彼に萩原朔太郎の『青猫』を紹介されて感動し、詩や文学に関心を持つようになり、室生犀星と芥川龍之介の知遇を得て終生師事します。

1925年の東大国文科入学後はフランス文学に興味を持ち、中野重治らと同人誌『驢馬』を創刊し、詩や翻訳詩を紹介しました。

その後も同人誌を中心に作品を発表しましたが、1927年に芥川龍之介が亡くなり大きなショックを受け、その死から自身の生き方を模索し、1930年にその体験を材にとり『聖家族』を発表し文壇から高い評価を受けました。

また、この頃から喀血などの肺結核の症状が出始め、療養生活中にプルーストの『失われた時を求めて』を読み始めます。
その後も病状は好転せず転地療養をしますが、病に伏せていた頃に触れたプルーストやジョイスなどの当時のヨーロッパの先端的な文学から大きな影響を受けました。

1933年からは、病気療養で訪れた軽井沢での体験を書いた『美しい村』を執筆し、その中で出会って婚約した女性の死を経て書いた『風立ちぬ』では「生・死・愛」という彼の文学主題を追求しました。

その後は日本の古典にも親しみ、平安時代の女流日記『蜻蛉日記』を原典とした『かげろふの日記』を発表する一方で、1941年には代表作となる『菜穂子』を発表し、自身の生への意志を打ち出しますが、病状が悪化し、1953年に48歳で亡くなりました。

フランス文学など最先端のヨーロッパ文学を積極的に取り入れ、戦時下の不安な時代にも時流に流されない堀の作風は後進の作家にも支持され大きな影響を与え、死後にも各社から全集が出版され、2013年には残した小説作品を題材にした長編アニメ映画が公開されています。

代表作に『聖家族』『風立ちぬ』『菜穂子』など

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