武者小路　実篤 作品買取

1885年（明治18年）5月12日ー1976年（昭和51年）4月9日　東京都出身
小説家・詩人・劇作家・画家

雑誌『白樺』の創刊に参加し、「白樺派」の代表的な作家のひとりとして小説・戯曲作品を多く発表した日本の男性作家です。

武者小路実篤は、1885年に子爵という貴族の家柄に生まれました。
父の実世は、岩倉使節団の留学生としてドイツに滞在し、また日本の裁判官も務め大日本帝国憲法の設置にも関わった人物ですが、実篤が2歳のころに結核により37歳で夭折しています。

1891年に学習院初等科に入学し、中等学科6年の時に留年していた2歳上の志賀直哉と同級になり親しくなりました。
高等学科時代には、トルストイに傾倒し、人間の良心の自覚を求めた「悔い改めた貴族」の克己・禁欲・博愛精神に感化されました。

1906年に、東京帝国大学哲学科社会学専修に入学し、学習院時代から同級生だった志賀直哉や木下利玄らと文学勉強会「十四日会」を作り創作活動を始めます。
1907年には東大を中退し、翌年に処女作品集『荒野』を自費出版しました。

1910年に、志賀直哉、有島武郎らと文学雑誌『白樺』を創刊し、それに因み実篤らは「白樺派」と呼ばれるようになります。
実篤は白樺派の中心的な存在として『お目出たき人』『その妹』『友情』などの代表作を次々と発表しました。

1918年には、理想的な調和社会、階級闘争の無い世界という理想郷の実現を目指して、宮崎県に村落共同体「新しき村」を建設し、農作業をしながら文筆活動を続けました。
「新しき村」はダム建設により埼玉県に移されましたが今も現存しています。

昭和に入ると一線からは退き、『井原西鶴』などの伝記小説や美術関連の著書の執筆に励み、40歳ころからは自ら絵筆をとり画家としても活動しました。

戦後、1946年には貴族院議員に勅撰されますが、太平洋戦争中に戦争賛成の立場で日本文学報国会劇文学部会長を務めるなどの戦争協力が原因で公職を追放されました。

1948年に志賀直哉らと文芸雑誌『心』を創刊し、同誌で『真理先生』を連載し、人間の誠実な生き方を肯定的に描きました。
1951年には追放解除となり、同年に文化勲章を受章するなどし文壇に復帰、その後も小説や評論などを発表し精力的に活動しましたが、1976年に90歳で亡くなりました。

代表作に『お目出たき人』『幸福者』『友情』など

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