『創元社版 春琴抄』を買い取りしました。
| 買取品目 | |
|---|---|
| 小説 | |
| 買取方法 | 宅配買取 |
| お住まい | 秋田県 湯沢市 |
| 最寄り駅 | 湯沢 |
※買い取り価格は当日の価格であり、その価格を保証するものではありませんので予め御了承下さい。
※状態や付属品の有無、買い取り方法などによって価格が変動いたします。
スタッフからのコメント
秋田県湯沢市にお住まいのお客様より、書籍を買い取りしました。
今回の買取査定のご依頼者様は、長年買い揃えてきた蔵書がかなりの冊数になり、本棚のスペースが無くなってきたため、読んでいない作品から減らしたいと、買取のご相談をくださいました。
査定をご希望の書籍は、文芸作品の単行本と文庫本が中心とのことで、お問い合わせのメールに添付の画像から判断して、今回は宅配便を利用しての買取をご案内させて頂きました(๑•ㅁ•๑)
この度は、みつばち書店に大事な書籍のコレクションをお譲りして頂き、ありがとうございました!
今回お譲りして頂きました書籍の中には、戦前に発行された希少な作品もいくつか含まれていました。
その中から、今回私が注目したご紹介したい作品は『春琴抄』です。

こちらの書籍は、谷崎潤一郎が1933年(昭和8年)に発表した中編小説『春琴抄』を収録した単行本です。

今回は、雑誌掲載後に初めて単行本化され発行された創元社版をお譲りして頂き、その希少性の高さを評価して買取させて頂きました( ᴗ̤ .̮ ᴗ̤人)

この創元社版の単行本は、『春琴抄』単独ではなく、『蘆刈(あしかり)』『顔世(かおよ)』の3作品を収録した作品集として刊行され、この時期の耽美的な世界観を代表する作品がまとめられています。

カバー紙越しなので分かりにくいかもしれませんが、黒漆塗りの表紙に細筆の金字で書かれた「春琴抄」の文字がとても美しく、この豪華な装幀も人気の要因の一つです( ᵔᵒᵔ )
表題作である『春琴抄』は、盲目の三味線奏者である春琴と、生涯に渡って彼女に献身的に仕え続けた奉公人で弟子の佐助の、主従関係を超えた極端で複雑な愛の物語で、谷崎文学の耽美主義とマゾヒズム(被虐愛)を突き詰めた、日本近代文学の傑作の一作とされています。

また、本文は、句読点・改行が極端に少なく、鉤括弧などの記号文字を極力使わない、実験的で独特な文体で書かれていて、この文体は物語を一気に読ませるようなある種の音楽的なリズムや陶酔感を生み出し、春琴と佐助の閉鎖的で濃密な二人だけの世界を表現することに成功しています( ︶ω︶)
現在では、読むだけであれば青空文庫でも公開されているので手軽に読めますが、本書は内面の芸術性の高さに加え、谷崎の美意識が細部にまで貫かれた「書物としての美しさ」も兼ね備えた貴重な一冊です。
みつばち書店では、戦前に発行された希少な書籍の売却のご相談も大歓迎です。
お客様の大事にされてきた書籍の次の読者探しに、是非当店のご利用をご検討ください(*`・ω・´)ゞ
【秋田県 湯沢市】






