『豊饒なるフォルム 井上三綱の世界』を買取致しました。

千葉県千葉市にお住いのお客様のお宅にお邪魔して、書籍の出張買取をさせて頂きました。

今回のお客様は、趣味で集めてきた画集の冊数が多くなり保管場所が手狭になってしまい、少し減らそうと考え当店の買取査定にご相談をくださいました。

実際にご自宅へお邪魔して、買取を希望された書籍を拝見しますと、事前のお話の通りのかなりの冊数で、集めるのにかなり苦労をされたのが伺われる蔵書でした。

お客様とお話しましたところ、数年前までは月１回ほどのペースで全国各地の美術館の展覧会を巡っていたほど美術館巡りがお好きだったそうで、その度に買い求めた図録などが少しづつ増えていったとのことでした。

旅の思い出が詰まった大事な書籍なので、しっかりと査定をしてもらい譲りたいとのご希望でしたので、いつも以上に気合を入れて査定をさせて頂きました ∠(`･ω･´)

展覧会図録の他に画集なども併せてお譲りして頂きましたが、その中から今回ご紹介する一冊は『豊饒なるフォルム 井上三綱の世界』です。

本書は、1995年に日本放送出版協会より発行された日本の画家・井上三綱の画集です。

大判の大ボリュームでかなりの迫力がありますね

井上三綱は、戦前から戦後にかけて活躍した画家で日本と西欧の要素が融合した特徴的な画風で人気を博しました。

福岡出身の井上は、同郷の青木繁や坂本繁二郎に強い影響を受けた洋画から、戦後には油彩の他にも、墨や岩絵具など様々な画材を用いて、また古代絵画や書の他、能、古典文学、和歌、禅、宗教などを研究して東洋の芸術を自身の作品に昇華させた独自の作風を確立し、海外でも高い評価を受けました。

その独自の作風は、あるアメリカ人評論家から「井上三綱は片足を東洋に、片足を西洋に踏まえて悠然と立っている」と評されたそうです。

洋画からスタートし、その後は既存のジャンルに囚われない独自の作品を追求した井上三綱の作品を、大判の大きな写真で楽しめる面白い画集となっています。

今回は、この他にも多くの美術書をまとめてお譲りして頂けましたが、お客様からは思っていた以上に高価買取をしてもらえて良かった喜んで頂け、嬉しい買取査定となりました(*^ω^*)