『浮世絵名品聚芳』他、多数の書籍を買取りさせて頂きました。

  • 浮世絵名品聚芳
買取品目
美術書
買取方法出張買取
お住まい千葉県 浦安市
最寄り駅浦安

※買い取り価格は当日の価格であり、その価格を保証するものではありませんので予め御了承下さい。
※状態や付属品の有無、買い取り方法などによって価格が変動いたします。

スタッフからのコメント

千葉県浦安市のお客様のお宅へ、出張買取に伺ってきました。

今回の買取は、文芸書などの他に美術書も多く含まれていました。
中には、販売当時は部数限定で発行された貴重な書籍も含まれており、一点ずつ丁寧にご査定させて頂きました。

その中でも、今回の買取りの中で特に注目しましたのは『浮世絵名品聚芳』です。

浮世絵名品聚芳葛飾北斎や円山応挙など有名な画家の浮世絵の画集なのですが、浮世絵の中でも「春画」を集めた珍しい画集のシリーズです。
各巻300部限定で発行された大変貴重な書籍で、一冊づつでも珍しいのですが、今回は12冊セットでお譲りして頂きました。

「春画」は浮世絵の一種で、性交場面などの性風俗を描いた絵画です。
その歴史は古く、平安時代には性的題材を描いた絵画があり、当初は貴族などの上流階級の中の文化でしたが、室町時代から江戸時代にかけて庶民の間にも広がり始めました。
災難除けの一種のお守りとしての利用もされ、武士が鎧の下に忍ばせる「勝絵」や、商人が火事を避ける願いをこめて蔵に春画を置くなどしたそうです。
また、花嫁の嫁入り道具のひとつとして、性教育のテキストとしての一面もあったそうです。

そんな春画ですが、享保の改革により発禁になりますが、それでも需要があるため非公開で販売は続けられ、江戸幕府の規定を守る必要がなくなった春画は、通常では出版できない極彩色の作品も多く作られ、当時の浮世絵の最高の技術が使われているのは春画だともいわれています。

外国にも、幕末に起きたジャポニスムによって浮世絵は西洋でも高く評価されるようになりますが、当初春画はわいせつとの理由から嫌われていました。
しかし、ジャポニズム時代のフランスの画家から優れた絵画として高く評価されたことから春画のコレクターは世界中に広がり、現在でも芸術性の高さやユーモラスな面白さからとても人気があるようです。

春画といえども絵師は決して手は抜いておらず、繊細な線や鮮やかな色づかい、絵師それぞれの個性的な構図など芸術性が高いところも魅力ですが、描かれている題材も男女間だけではなく同性間の作品や、動物相手や妖怪・幽霊・鬼など様々な題材で描かれているのも、古い作品とは思えない性の多様性を感じられて面白いです。
今回お譲りして頂いた書籍は中身をお見せすることは出来ませんが、どの作品もユーモアさがある素晴らしい作品ばかりで、とても面白い画集となっています。

浮世絵名品聚芳2葛飾北斎

エロシズム以外にもたくさんの魅力がある春画は、日本を代表する芸術作品として大切に残していきたい文化の一つです。
今回は、この書籍を含め貴重な書籍をたくさんお譲りして頂きありがとうございました。


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