『古史精伝 ウエツフミ ５巻セット』をお譲りして頂きました。

茨城県かすみがうら市にお住まいのお客様のご自宅へ、書籍の買い取りにお邪魔しました。

今回のお客様は、亡くなられたお父様の遺品の整理のために書籍を処分したいと、当店に買取のご依頼をくださいました。
お父様はかなりの読書家で、幅広いジャンルの書籍が大量にあるとのお話でしたので、今回はご自宅へ直接お邪魔して査定作業を行いました。

実際に拝見しました蔵書は、小説などの文芸書の他に歴史関連の書籍も多くありました。
中には私自身も見たことがない珍しい書籍も含まれていて、査定作業中にお話を聞いたところお父様は趣味で歴史の研究をされていて、様々な書籍を集めていたそうです。

古書で集められた書籍も多く含まれていたため状態がまちまちでしたが、専門的な書籍も含む大量の書籍をまとめてお譲りして頂き、有り難い買取査定でした(^^)

今回の買取査定でお譲りして頂いた書籍の中から、ご紹介するお品は『古史精伝 ウエツフミ ５巻セット』です。

本書は、「上記（うえつふみ）」と呼ばれる古史古伝の文書の全訳作品で、超古代文献研究家の吾郷清彦の著作です。

「ウエツフミ」という古文書について知識が無かったため少し調べてみましたが、いわゆる古史古伝と呼ばれる文献の一つで、日本にかつて存在していた「ウガヤフキアエズ王朝」という古代王朝についての文献だそうです。

内容は、ウガヤフキアエズ王朝に始まる神武天皇以前の歴史の他、天文学、医学、民俗学についての記事などが含まれている博物誌的な内容の作品です。

日本の古代史といえば「古事記」や「日本書紀」ですが、古史古伝と呼ばれる文献ではそれとは著しく異なる内容を伝えています。
例えば、「古事記」と「日本書紀」では「鸕鶿草葺不合尊（うがやふきあえずのみこと）」は初代天皇・神武天皇の父とされていますが、「ウエツフミ」では神武以前の王朝の始祖とされています。

これらの史料は、そもそも史料的価値が認められていないため研究がされてなく、ウガヤフキアエズ王朝は近代以降に創作された架空の王朝であるとされ、ウエツフミは一般的に偽書であるとされています。

著者の吾郷清彦も本職は電気技師で、定年退職後に超古代史や神代文字などの研究についての著書を多く発表しているかなり異色の研究者で、この書籍も現代ではいわゆる「トンデモ本」に分類されてしまう書籍かもしれませんが、個人的にはロマンがあって面白いなと思います

みつばち書店では、あまり一般的ではない専門的な内容の書籍も丁寧に査定して買取金額をご提示します。
他の古書店では断られてしまった書籍でも買取可能な場合がありますので、お気軽にご相談下さい！